和服が好きな方は1年を通して着用される方も多いです。
しかし、日本は四季がある国ですので時期によって感じる温度が異なりますよね。
夏と冬に同じ着こなしですと当然気温の感じ方も異なります。
季節によって着物も着用の仕方が異なるのでしょうか?
夏用の着物?冬用の着物?等はあるのでしょうか?
そんなご質問を頂く事も多いので今回ご案内できればと思います。

着物で寒く感じる部位
着物を着付けする際は、肌着を着用してその上に襦袢を着用して着物を着付けします。
そして帯を巻くのでお腹周り等はあまり寒く感じないかと思います。
逆に、手首、足、首元はかなり寒く感じます。
着物のデザイン上の問題になりますが、冬に着用する防寒対策した洋服に比べると上記の部位はかなり露出していると思います。
寒さ対策の基本:袷仕立ての着物の選び方
着物には仕立て方によって裏地の有り無しがございます。当然裏地のある袷仕立ての方が暖かいです。
袷仕立てとは?その特徴と効果
袷仕立ての着物は、伝統的な技術に基づいて作られており、表地と裏地の間に中綿が入っています。この中綿が空気を含むことで、自然と保温性が高まるため、冬の着物には最適です。さらに、風を通しにくい素材を選ぶことで、寒い冬でも外気からしっかりと身を守ることができます。
袷仕立ての着物は、寒さが厳しい冬の日でもスタイリッシュに過ごすためのアイテムとして、伝統的な美しさと機能性を兼ね備えています。着物を着る際の重ね着の工夫や、素材選びを考慮しながら快適さを追求することで、さらに着心地を向上させることができます。
また、新しいデザインや模様の選択が、冬の着物スタイルをより豊かにし、個性を演出します。着物の襟元や袖口から見える色合いを工夫することで、全体のコーディネートに温かみを加えることができ、視覚的に寒さを和らげる効果も期待できます。
冬に最適な袷仕立ての着物の選び方
冬用の袷仕立ての着物を選ぶ際には、厚手の生地や暖色系を選ぶと良いでしょう。例えば、ウールやカシミヤの素材は保温性が高く、寒さをしっかりと防いでくれます。また、着物の柄や色合いを考慮しながら、暖かさを感じるデザインを選ぶことがポイントです。
質感や光沢感を持つ素材を選ぶことで、見た目の美しさを楽しみながら防寒対策を実現できます。冬には特に、重みのある生地が保温効果を高め、寒さをしっかりと防いでくれるので、選び方が重要になります。選び方では、着物の内側に施された裏地の色合いや、細部に施された刺繍などが冬の季節感を感じさせるために一役買います。
細部にまでこだわった選び方が、冬の着物ライフをさらに充実させます。
着物を冬に着ると寒い理由
冬に着物を着ると寒いと感じる方が非常に多いです。
普段の防寒を考えた服装よりは当然寒いですが、着物が寒いと感じる理由があります。
構造上の問題だったり、着物の種類の問題だったりしますので、理由を下記でご案内させて頂きます。
袖口がゆるい
着物は構造上袖口が大きく空いております。当然冬は風が冷たいですよね。その為、風の強い日などは大きく空いた袖口から冷たい風が入り体温を奪っていきます。
女性用の着物は更に身八つ口も大きく空いておりますので更に風が通りやすいですよね。
こちらは構造上の問題なのでどうしようも無いので対策は出来ないのが残念な所です。

裾から冷えて足が寒い
こちらも着物の構造上の問題になるのですが、足元が寒いと思われる方が多いです。
勿論、着物の下には襦袢や裾除け等着用するので素足の状態では無いですが、それでもパンツスタイルとは異なり下から冷たい空気が入りますので寒いと感じると思います。
着物を冬に暖かく着る方法
着物の構造上、デザイン的に洋服より寒さが入ってきやすいのは仕方ないとしても、冬に着物を着るうえで寒さ対策の良い方法はあるのでしょうか?
良くある着物の寒さ対策をいくつかご案内させて頂きます。
ヒートテック等の防寒グッズの活用
最近はヒートテックなどかなり防寒に優れたインナーが色々なお店で販売されています。
昔はヒートテックといったものが存在しませんでしたよね。
現代はかなり薄手で暖かいインナーが沢山あるので積極的に利用してみるとよいと思います。
1枚着るだけで全然寒さが緩和されます。
最新の暖かグッズを賢く利用しちゃいましょう!
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単衣着物と袷着物
こちらは着物のお仕立てをする際の種類なのですが、当然ですが裏地付きに袷仕立ての方が暖かいです。冬に単衣着物を着用する事もあまり無いとは思いますが、単衣しか持っていなくて冬でも単衣着物を着用している方がいらっしゃいましたら、袷の着物を是非ご購入してみる事をお勧めいたします。
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暖かい草履、暖かい足袋
最近は足袋も色々あるようで防寒に優れた足袋もあります。寒さは足元からかなり感じるので足元を暖かくすると体全体の寒さが緩和されると思います。
草履も防寒草履など昔は無かったアイテムがあるみたいです!是非便利アイテムを取り入れて足元を暖かくしてくださいね。
和装に合う冬のアウター選び
着物にもアウターして着用できる和装コートなども御座います。寒さを我慢せずに是非活用してください。
着物に合う和装コートの種類と選び方
和装コートは、着物の美しさを引き立てるだけでなく、防寒機能も兼ね備えています。ウールやカシミヤ素材のコートは保温性が高く、色合いやデザインによっては着物との調和も楽しめます。特に、和装コートを選ぶ際には、着物の色や柄に合わせて選ぶと全体のコーディネートがまとまり、見た目の美しさが引き立ちます。
和装コートは、伝統的な着物スタイルを維持しつつ寒さをしっかりと防ぐための理想的なアイテムです。コートの裏地やポケットのデザイン、留め具の選択までこだわることで、より一層個性を引き立てることができます。和装コートは、寒さを防ぎながらも着物の美しさを保つための重要な役割を果たしており、冬の着物ライフを充実させてくれます。
防寒とスタイルを両立させるアウターの選び方
アウター選びでは、着物の色合いとコーディネートを考慮しながら、シンプルなデザインのものを選ぶと良いでしょう。これにより、着物の美しさを損なうことなく、防寒対策ができます。特に、素材の選択によってスタイルが大きく変わるため、着物とのバランスを考慮しながら選ぶことが重要です。
アウターは、冬の冷たい風をしっかりと防ぎつつ、着物姿を引き立てるための重要な役割を担います。また、アウターの長さやシルエットを工夫することで、着物全体のバランスを保ちながら、よりスタイリッシュな印象を演出できます。アウターは、着物の美しさを際立たせるための重要なアイテムであり、冬の着物スタイルをより洗練されたものにしてくれます。
色の組み合わせで冬のコーディネートを楽しむ方法
色の組み合わせは、着物の帯や小物と合わせてコーディネートすることで、視覚的な暖かさを演出することができます。暖色系の着物に、アクセントとなる寒色系を加えることで、バランスの取れた冬のスタイルが完成します。特に、色のコントラストを活用することで、着物の美しさを最大限に引き出しつつ、冬の寒さを楽しむことができます。
色の選び方は、着物スタイルの完成度を大きく左右するため、慎重に検討することが重要です。色の組み合わせによって、和装の印象をより華やかにすることが可能で、様々なシーンに合わせたコーディネートを楽しめます。色の組み合わせは、着物の個性を引き立てるための重要な要素であり、冬の着物スタイルをさらに豊かにしてくれます。
まとめ:冬の着物スタイルを楽しむために
冬の着物を楽しむためには、防寒対策をしっかりと行いながら、色彩やデザインを工夫することが大切です。この記事で紹介したポイントを押さえながら、寒い季節でも快適な着物ライフを楽しんでください。特に、着物の選び方やコーディネートの方法を工夫することで、寒さを感じずに和装の美しさを堪能することができます。
冬の着物ライフを最大限に楽しむためには、準備をしっかりと行うことが重要です。着物に合わせたアクセサリーや小物選びも、冬の着物スタイルを彩るために欠かせない要素となります。冬の着物ライフを彩るためには、自分のスタイルに合ったコーディネートを選び、個性を最大限に引き出すことが大切です。
いかがでしたでしょうか?
もちろん上記以外にも冬の防寒方法は色々とあると思います。
皆様もオリジナルの方法で自分だけの防寒の裏技などもあったりするかと思います。
オシャレは大事ですが、寒いのを我慢して無理して風邪をひいたり体調を崩してしまっては良く無いですよね。
無理せずしっかりと防寒対策して冬も着物を楽しんでいただきたいです。
