よさこい衣装の浴衣 初めての選び方|衣装担当が失敗しないコツ

先日、よさこいチームの衣装担当を今年から任されたという女性のお客様から、「浴衣をベースにした衣装を考えているんですが、そもそも浴衣って何をどう選べばいいのか…」というご相談をいただきました。前任の方が急に辞められて、引き継ぎもほとんどなく担当になった、というお話でした。

同じような立場で困っている衣装担当さんは本当に多くて、毎年この時期になるとよくお問い合わせをいただきます。今日は「浴衣選びがまったく初めて」という担当者さん向けに、うちで普段ご案内している基本の部分をまとめてお伝えしますね。

まずは浴衣そのものを知ることから

「踊り子歴は長いけど、衣装の発注は初めて」という方ほど、最初に浴衣の基本がわからなくて止まってしまいがちです。難しく考えなくて大丈夫なので、ざっくり押さえておきましょう。

そもそも浴衣ってどんなもの?

浴衣はもともと「湯帷子(ゆかたびら)」といって、お風呂上がりに着るものが起源と言われています。今は夏祭りや盆踊り、もちろんよさこいの演舞でもおなじみですよね。素材は綿や麻など通気性の良いものが中心で、踊って汗をかいてもムレにくいのが特徴です。

うちでよさこい用にお作りする浴衣も、この「夏でも快適に動ける」という前提は同じです。ただし演舞で激しく動くことを考えて、生地の厚みや縫製を踊り用に調整しています。

浴衣と着物、何が違うの?

担当者さんから「浴衣と着物って何が違うんですか?」とよく聞かれます。一番わかりやすい違いは、着物は襦袢(じゅばん:肌に直接触れる下着のような着物)を下に着るのに対して、浴衣は基本的に襦袢なしで着られる、という点です。

着物はフォーマルな場の装い、浴衣はもっとカジュアルな夏の装い、というイメージですね。よさこい衣装としての浴衣は、このカジュアルさを活かしつつ「演舞用」に仕立てたもの、と思っていただくとイメージしやすいかと思います。

演舞シーズンと浴衣の相性

よさこいの大会は夏から秋にかけて集中しますよね。浴衣はまさにこの季節に最適な衣装です。汗をかきやすい時期だからこそ、生地選びとサイズ感が後々のメンバーさんの満足度を大きく左右します。

「去年の衣装、暑くて苦しかった」という声が出ると翌年大変なので、担当者さんとしては最初の素材選びの段階でしっかり相談していただくのがおすすめです。

チーム用の浴衣、選ぶときの考え方

浴衣の柄や色って本当に無数にあって、「どれがチームに合うのかわからない…」と途方に暮れてしまう担当者さん、すごく多いです。私が現場で見てきた感じでは、選び方には少しコツがあります。

「デザインのイメージが言葉にできない」担当者さんへ

「メンバーから希望は聞いたけど、それを言葉にして業者さんに伝える自信がない」というご相談、本当に多いんです。そういう時、うちでは無理に言葉にしようとせず、「こういう雰囲気が好き」という参考写真を3〜5枚見せていただくようお願いしています。

あとはサイズ。よさこい衣装はメンバー全員分まとめての発注になるので、最小身長から最大身長まで、何センチ刻みで用意するかを最初に決めておくと後々のサイズトラブルが減ります。「フリーサイズで大丈夫」と思っていると、身長差のあるメンバーで丈が合わずに後悔されるパターンが一番多いです。

女性用と男性用、混合チームの場合

男女混合チームの担当者さんからは、「女性と男性で柄を揃えるべきか分けるべきか」という質問もよく受けます。女性用は華やかな柄や明るい色、男性用はシンプルで落ち着いた色が一般的ですが、よさこいの場合はあえて「同じ柄で色違い」「同じ色で柄違い」という揃え方で統一感を出すチームさんも多いです。

帯の結び方も男女で違うので、そこも踏まえてご相談いただければ、うちで一緒に組み合わせを考えさせていただきます。

柄と色、決めかねたときは

柄や色の選び方で迷ったら、「演舞をする会場の雰囲気」と「楽曲のイメージ」を軸にすると決めやすいです。大きな会場で遠くから見られるなら大胆で華やかな柄、しっとりした楽曲なら落ち着いた色合い、という具合ですね。

あと、地味に大事なのが「来年も使えるか」という視点。前任者さんから引き継いだ衣装の一部(帯や小物)を活かしたい、という担当者さんも多いので、その場合は手持ちのパーツの色味に合わせて浴衣を選ぶと、予算も抑えられて再利用もしやすくなります。この辺りはご相談いただければ、うちで現物を見ながらお話しします。

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浴衣本体だけじゃ着られない、必要なもの

「浴衣だけ注文すれば終わり」と思っていて、納品されてから「あれ、これだけじゃ着られない!」と慌てて電話をくださる担当者さんが時々いらっしゃいます。必要な小物も一緒に押さえておきましょう。

帯の選び方と結び方

帯がないと浴衣は着られません。半幅帯(はんはばおび:幅が約15cmほどの結びやすい帯)や兵児帯(へこおび:柔らかくふんわり結べる帯)などがあります。初めて発注される担当者さんには、結びやすくて演舞中にも崩れにくい半幅帯をおすすめしています。

結び方も色々ありますが、よさこいの場合は踊っても解けにくいものを選ぶのがポイントです。この辺りもチーム全員で揃える場合は事前に統一しておくと、当日バタつきません。

和装小物でチームの個性を出す

帯締め(おびじめ:帯の上から結ぶ細い紐)や帯留め(おびどめ:帯締めに通す飾り)、髪飾りなどを工夫することで、チームらしさをぐっと出せます。前任者さんから引き継いだ小物がある場合は、それを活かす方向で考えると、予算も抑えられます。

「全部新調しないといけないと思っていました」という担当者さんも多いんですが、パーツの再利用はぜんぜんアリです。むしろチームの歴史を感じられて素敵だと、私は思います。

履物はどうする?

浴衣に合わせるのは下駄(げた:木製の履物)や草履(ぞうり:布や革製の履物)が定番ですが、よさこいの演舞では足袋に地下足袋を合わせるチームも多いです。これは演舞内容や会場によって変わってくるので、振付師さんやチーム代表者さんと相談して決めるのが安全です。

着付けで気をつけたいポイント

浴衣が届いてからの着付けでつまずく担当者さんも多いので、ここも触れておきますね。

下に何を着るか問題

「浴衣の下って何も着ないんですか?」というご質問、毎年いただきます。よさこいの演舞で激しく動くことを考えると、汗を吸収する肌着やインナーを下に着ることをおすすめしています。透け防止にもなりますし、何より浴衣本体を汗から守って長持ちさせられます。

インナー選びについては別の記事で詳しくお話ししているので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

前合わせは必ず「右前」

これだけは絶対に押さえてほしいのが、襟の合わせ方です。浴衣は必ず「右前」、つまり自分から見て右側の身頃を先に体に当てて、その上に左側の身頃を重ねます。逆にすると亡くなった方の装いになってしまうので、本番直前に気付いて慌てる、ということがないように、メンバー全員で事前に確認しておきましょう。

帯もきつすぎると踊りに支障が出ますし、緩いと演舞中に解けます。リハーサルで一度しっかり踊ってみて調整するのが一番確実です。

本番で映える浴衣スタイルにするには

 

 

せっかく揃えた浴衣ですから、本番の演舞で「あのチームの衣装、素敵だったね」と言われたいですよね。最後に、現場で映えるためのちょっとしたコツをお伝えしておきます。

大会会場で映える色柄選び

大きな大会会場では、観客席から距離があるので、繊細な柄よりも遠目に印象が残る色や柄のほうが映えます。担当者さんによっては「派手すぎるかな」と心配される方もいますが、私が現場で見てきた感じでは、思い切ったほうが結果的に評価される印象です。

逆に地域のお祭り会場など距離が近い場では、細かい柄もしっかり見えるので、繊細さで勝負できます。出場予定の大会の規模で選び方を変えるのがコツです。

小物との合わせ方

浴衣本体の柄が華やかなら帯はシンプルに、浴衣がシンプルなら帯や髪飾りで個性を出す、というのが基本のバランスです。チーム全員で揃える場合は、特に髪飾りを統一すると一気にまとまり感が出ます。

どこから手をつければいいか迷ったら、いつでも気軽にご相談ください。一緒に組み合わせを考えていきましょう。

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