先週、青森に行ってきました。ねぶた祭です。
毎年8月2日から7日まで。写真や映像では何度も見ていましたが、実際にあの場に立つと、やはり受ける印象がまるで違います。せっかくなので、店長が撮ってきた写真とあわせて、現地で感じたことを少しだけ書き留めておきます。

日が落ちて灯りが入ると、和紙の向こうから色が浮き上がってきます。武者の顔の陰影、炎の赤、雲の白。近くで見上げると、細い骨組みに和紙を貼って、その上から一筆ずつ描き込まれているのがよくわかります。

こちらは着物の柄まで描き分けられていました。鱗文様に、桜。うちは着物や半纏を扱っている店ですので、どうしてもこういうところに目が行きます。紙に描かれた柄なのに、布らしい落ち感まで感じられるのが不思議でした。

すれ違いざまに見上げると、これくらいの迫力です。写真ではどうしても伝わりきらないのが惜しいところで、あの大きさと、灯りの熱と、ぶつかってくるような囃子の音は、やはり現地でしか味わえません。
ただ、私が一番長く見ていたのは

ねぶたの前を進む、囃子方の列でした。
白い揃いの半纏に、黒い帯。背にも前身頃にも団体名が入っています。笛の音がそろい、足並みもそろって、一団が通り過ぎていく。華やかさでいえばねぶた本体にはかないませんが、あの列が「どこの団体か」を沿道に一目で伝えていたのは、間違いなくこの衣装でした。
ねぶたは、運行団体が一台ずつ出しています。企業、町会、学校。それぞれが一年かけて準備をして、あの数日のために人を集める。揃いの半纏は、その団体の顔なのだと、現地に立って改めて思いました。遠目に見ても、写真に写っても、団体の名前がきちんと残る。あれは衣装であると同時に、看板でもあります。
祭りが終わった今が、実は次の一年の始まりです
運行団体で衣装を任されている方に、一つだけお伝えしたいことがあります。
今年の運行で半纏について何か気になったことがあれば、それは今のうちに書き留めておいたほうがいいということです。
- サイズが合わず、窮屈そうにしていた人がいた
- 数が足りず、当日に借りて回った
- 何着かは色あせや傷みが目立ってきた
- 新しく入った人の分が足りていない
こうしたことは、祭りが終わった直後が一番はっきり覚えているものです。半年も経つと、たいてい記憶から抜け落ちます。そして春になって「そろそろ動かないと」となったときには、同じことを考えた団体が全国から一斉に動き出します。
うちへのご相談が立て込むのも、やはり春先です。一年で一番慌ただしい時期に急いで決めるより、秋から冬にかけて、来年度の予算の話と一緒に形にしておくほうが、生地も色も納期も、選べる幅がずいぶん広がります。
全部を一から作り直さなくても
とはいえ、団体の半纏をまるごとフルオーダーで新調するとなると、費用も時間もそれなりにかかります。枚数が多い団体ほど、その決断は簡単ではないと思います。
うちでよくご案内しているのは、既製の半纏に背紋(背中の紋)を入れ替える、あるいは衿に団体名を入れるという方法です。生地から起こすより費用を抑えられますし、あとから枚数を足すときにも対応しやすい。「今年は不足分だけ揃えて、来年に全体を切り替える」といった段階的な進め方もできます。

↑ 名入れ・背紋の入れ替えについては、こちらをご覧ください
「うちの団体の場合はどう進めるのがいいか」といったご相談も承っております。お問い合わせフォームから、枚数とご希望の時期をお知らせいただければ、現実的なところをお伝えします。
来年のねぶたで、また揃いの半纏の列を見られるのを楽しみにしております。
